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支那そば たかはし@徳島市入田町

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今回の最終目的地徳島市入田町の支那そばたかはしです。入田(にゅうた)町は徳島の中心地より西南西へ約10kmの所にある山間の小さな街ですが、自力で行くのはとっても難しそうなのでナビにお任せで行くことにしました。最初は徳島自動車道をルンルンだったのですが何故か脇町インターで降りろとの指示。後でよく調べると土成インターで降りた方が早かったようです。その後渋滞中の伊予街道をトロトロと東進した後南に曲がって山越えをするのですが、ナビに従って曲がった道は、だんだん細くなり最後には反転も困難な山道が突然柵で通行止めになっています。お馬鹿なナビを破壊したい気持ちを抑えつつ、とりあえず他に山越えできそうな気配の道を捜しナビに乗っていない大きな道を発見、近代的なタイムトンネルを抜けて無事に入田にたどり着くことが出来ました。そう、タイムトンネルと言ったのはトンネルを抜けた先が違う時代に通じていたからです。
入田中学校という小さな学校の脇の道を脱輪しそうになりながら通り抜けた先にそのお店はありました。
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真っ赤な暖簾をくぐると、そこにはスープを焚く良い香りとともに昭和の空気が流れていました。雑然としていて、それでも何故か懐かしさを感じる店内にはテーブル席が2つ、奥のテーブルで先客のおじさんがラーメンとライスを食べています。
手前のテーブルに座り、小肉入り玉子入り+小ごはんを注文、そうです、小ラーメンに肉と生卵をトッピングしてこれをおかずにごはんを食べるのが徳島流なのです。
中のおばさん達がしばらくラーメンを作る間におじさんが帰り店内の客は我々だけになりました。
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程なくして、ずっと食べてみたかった徳島ラーメンが運ばれてきました。
独特の黒く濁ったスープに甘辛く煮付けた豚バラ肉とネギ、もやし、しなちく、そして生卵が鎮座します。
まずはスープを一杯、創業以来ずっと焚き継いでいる豚骨と鶏の合わせスープは見た目のインパクトとは違って大変優しい味がします。妙に狙った様な所を微塵も感じさせない、昔から淡々と同じ物を作り続けてきたんだよと語りかけてくるようなスープです。甘辛く煮付けた豚バラはラーメンよりやや塩分が強めですが、卵をつぶすとマイルドになり、ごはんのおかずとして丁度良い塩梅になります。徳島ラーメンを良くすき焼きに例える人が居ますが、なるほどとうなずけます。麺は柔らかめ、この場合これがここのスタイルと言うことで、堅めが好みとか、そんなことはどうでも良くなってしまいます。
これが徳島ラーメンかと感傷にふけっていると、「島根からきはったん?」とおばちゃんが尋ねてきます。車のナンバーが見えたようです。「そうです。」と答えると、「混んどったじゃろ?」「出てきた日は反対車線が渋滞で止まってましたよ。」「島根ゆーたらこの前お遍路さんが来てたで。」・・・と言った具合に四方山話が始まりました。話し出すとこのおばちゃん、どうも止まらなくなるようです。最近は団塊の世代のお遍路さんが一杯来るとか、そのお遍路さんが置いていった札を見せてくれたり、うどんは香川は固いけど徳島のは柔らかく、そっちの方が美味しいだの(なるほどここの麺が柔らかめなのはその為か)、徳島で出来とるんや、と言う事で売り物のオロナミンCをご馳走してくれたり・・・私自身は田舎が都会なので経験はないのですが、何か田舎のおばあちゃんの家に帰ったような、ほのぼのとした雰囲気になりました。
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店の前までお見送りに出てくれたおばちゃん達にお別れを告げて帰る途中、ふと店の裏手を見ると屋根の上でのんびり猫が遊んでいました。こんな風景、最近見なくなったよなぁ。

by emozione | 2007-05-05 15:40 | 四国