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凪 新宿ゴールデン街店

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新宿には時代に取り残された場所がもう一つあります。歌舞伎町1丁目、区役所通りと花園神社に挟まれた区画、新宿ゴールデン街です。戦後、新宿駅東側にあった闇市が占領軍の露天取り払い命令を受け現在の場所に移動したのが発端とされています。もともと裏社会との関わりが深く危ない街、あやしい街として知られた場所で現在でもそのイメージを強く持っている人も多いのかも知れません。バブルの時代にはこの一角でも地上げの波を受け最盛期の7割ぐらいまで店の数は減少しましたが、権利関係の複雑さから全面的な再開発に至らず現在に至るようです。
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間口が狭く奥に伸びた(それでも3~4坪しかない)小さな店舗が二層に連なる為、路地から目にするのは隣との隙間がほとんどなく扉が並ぶ風景です。近年は街が安全になるとともに空き店舗だった店にニューウェーブと言われる若い世代が新しいコンセプトで開いた店が増え「怖い」「危ない」というイメージは変わってきています。新宿煮干「凪」はそんなニューウェーブの一つと言えるでしょう。
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新宿ゴールデン街で限定営業の形でスタートした凪はその後ラーメントライアウトの優勝を経て渋谷、立川、駒込、西新宿、博多などに店舗展開しそれぞれの店で異なったコンセプトのラーメンを提供する独自のスタイルで人気を呼んでいます。その出発点と成った新宿ゴールデン街店は「新宿煮干凪」と称し文字通り濃厚煮干し系をコンセプトとする店です。
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間口の狭い扉を開けると、いきなり狭く急な階段があってそれを登り切った所に券売機があります。先客は三名、ちょうど狭間に当たったようでラッキーでした。券売機でチケットを購入しようとするとマスターが「今日はチケットが残り少ないので直接注文して下さい。」と言うのでそのまま奥の座席に着席、味玉煮干ラーメン(850円)を注文です。
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待つ事10分程で味玉煮干ラーメンの完成です。見事に茶濁したスープにチャーシュー、白ネギ、海苔、煮卵と「いったんも麺」と呼ばれるワンタンの皮のような物がトッピングされます。麺は幅広の平打ち太麺。プリンとした食感が心地良く、具無しワンタンのようなツルッとした「いったんも麺」との食感のハーモニーが面白いですね。そしてスープですが、弘前のにぼし亭には及ばない物の、苦みまで引き出した濃厚な煮干しの風味は圧巻です。魚介の濃度では伊藤@王子に近い物を感じますが性格はかなり異なりあちらが「静」ならこちらは「動」、あちらが「繊細」ならこちらは「ワイルド」と言ったイメージでしょうか。濃厚魚介好みの自分としては近くにあれば通いたい所ですが往復4万円の飛行機代を費やして、そう度々は来れないのが残念な所です。地元にもこんな店が出来れば良いのですが。

店名 凪 新宿ゴールデン街店
TEL 03-3205-1925
住所 東京都新宿区歌舞伎町1-1-10 2F
営業時間 月~土 11時30分~15時 18時~翌4時
       日・祝日 18時~2時
定休日 ?
席数 カウンターのみ12席
全面喫煙可


by emozione | 2010-08-29 15:45 | 関東