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中華そば大橋@兵庫県加東市

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 兵庫県の西脇市、加東市、小野市など北播磨には、その昔日本の繊維産業を支えたと言われる播州織の工場がありました。その、工場では数多くの女性工員たちが、必ずしも良いとは言えない条件の元、働いておられたそうですが、その女性工員たちにとって街の食堂で一杯のラーメンをいただく事は一時の心の休息だったのかも知れません。一方この地方の古い食堂ではそんな女性たちの好みを取り入れて行くうちに、独特なラーメンのスタイルが出来上がったと言われています。それが播州ラーメンと呼ばれるラーメンです。播州ラーメンの特徴は、醤油ベースのスープで概して甘い、麺は柔らかめと言う事ですが、店によっても若干の差があるようです。今回、お邪魔した加東市の大橋は通称「滝野大橋」と呼ばれ、何店かある播州ラーメンの店の中では超老舗級の歴史があり、なんと創業は昭和23年だそうです。この他にも同じ「西脇大橋」と大橋と名のつく店が西脇にもありこちらも昭和32年創業とかなりの歴史を持っているようですが、お互いの店同士の関係は無いと言う人が居たり暖簾分けだと言う人が居たりで今一つはっきりしません。店は県道17号線、滝野駅前の信号を南東に入った路地の奥にあり、歴史を感じさせる佇まいを見せています。駐車場は店の向かいに、かなりの台数分用意されていて車での来店に問題は無いようです。店に入ると着席する前にまず、「麺は何杯ですか」と尋ねられます。日曜日のお昼時でほぼ満席の状態の中、とりあえず客の入店があったら先に必要数、麺を茹で始める為ではないかと考えられます。その後、席に着いてあらためて注文の確認です。とは言ってもメニューは「中華そば」と「濃口」しかありません。折角なので三人で「中華そば」2杯と「濃口」1杯をシェアしました。[# 
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 中華そば(630円)です。この店のもう一つの特徴、丼が小さいと言う事前情報通り、通常の3分の2ぐらいの小さな丼に盛られています。丼を見ると相当量が少なそうに見えますが、なみなみと入っているので少食な人や女性なら丁度良い量なのかもしれません。それでもやはり若い男性などは、これでは物足りない人も多く、2杯分注文する人も珍しくないようです。基本は色が濃い目の醤油系中華そば、ネギ、モヤシ、海苔、チャーシューのシンプルなトッピングです。播州ラーメンは甘さが特徴と言いますが、ここの中華そばの甘さはさほど顕著ではなく、やや甘めのながらどこか懐かしい昔ながらの中華そばのイメージそのままの味わいです。
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 濃口(800円)です。量は中華そばと同じ、これでこの値段はややお高く感じるかもしれません。こちらは中華そばとは打って変わって、背油のような白いワダワダの浮いたギトギトしたイメージの一品、トッピングのチャーシューは普通の肉ではなく脂身のみのチャーシューです。実際に食べてみると、こちらは独特な酸味と甘みがあり、少しざらつきのあるスープですが、意外とギトギトした感じは強くありません。背油だと思っていた白いワダワダは背油よりもっと実体のある物で野菜か何かの細かくされた物の様な気がします。甘みは砂糖や味醂の様な甘みではなく野菜から出た甘みなのかも知れません。この、不思議な甘みが旨さとなって迫ってくる、あまり他ではお目にかかることが出来ない中華そばとなっています。恐らく、素材に相当な手が加わっているのではないかと思われ、そう考えると800円という金額も妥当なのかもしれません。チャーシューはデフォルトでは脂身のみのチャーシューとなりますが、これはこれで他ではお目にかかれない希少価値のある物と思いますが、メタボの身には堪えると思われる場合は申し出れば通常のチャーシューに変更可能なようです。ところで、この「濃口」は複数の情報によると平日の昼限定となっていますが、この日は日曜日。日祝日にも出るようになったのでしょうか。だとすれば休日にしかなかなか行く事ができない身には喜ばしい事です。
 播州ラーメンは、まだあまり認知度が高いとは言えないラーメンですが、かなり面白いご当地麺だと感じました。機会があれば、他の店にも行ってみたいと思います。

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by emozione | 2008-11-23 12:25 | 関西

すみれ@浦安

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 鳥取県中西部には昔ながらの牛骨ラーメン文化があります。恐らく松崎あたりから米子まで、これはちょうど昔の伯耆の国にあたる地域になるかと思いますが駅前や古い街の中にある昔ながらの食堂で出されるラーメンは何故か伝統時に牛骨である事が多いのです。恐らくその中心地は東伯のあたり、この辺りは古くから乳牛や和牛の生産が盛んな土地でもあります。その牛骨文化のど真ん中にあると言って良いのが東伯郡琴浦町浦安の「すみれ」です。古くからの食堂ですが現在は代替わりして若い店長が仕切っておられます。駐車場は無いようですが皆さん向かいの公民館に止められているようです。私は気が引けるので少し離れた安全な場所に駐車して10分ほど歩いて店に向かいました。店内に入るとテーブルが10台ほど有ったでしょうか、外から見るより意外と広く感じます。メニューはラーメンとチャーシュー麺、その他ライス、おにぎりのサイドメニューとトッピングバリエーションです。初めての来店なのでデフォのラーメンを注文です。
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 ラーメン(並:550円)です。やや油分の浮いた醤油系のスープにネギ、モヤシ、メンマとチャーシューの代わりに煮豚が乗ります。スープは流石に牛骨系の最右翼と目されるラーメンだけあって凝縮されたようなしっかりとした牛骨の旨みです。意外とファットが多くコッテリ感のある仕上がりになっています。チャーシューの代わりの煮豚は厚めで硬め、牛骨スープに浸かっているため味も牛肉ぽく、煮豚と分かっていなければ牛すじと勘違いしそうです。麺は細めのウェーブ麺でしっかりした食感です。総じて、古くからの食堂ですが代替わりをしているためか、伝統的な駅前食堂系の味と言うよりは、現代的な若々しい息吹を感じさせる味です。鳥取県中西部に数ある牛骨系ラーメンの中では間違いなく代表格として名が挙がる店と言ってよいのではないでしょうか。

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by emozione | 2008-11-17 13:55 | 鳥取県内その他

松原食堂@青谷町 中華ソバ

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 地元民ご用達の古い食堂。昭和30年代後半から続く老舗だそうで、私は全く知らないのですが「リアリズムの宿」という映画でロケに使われたそうです。一見さんが入るには多少勇気が必要な設定になっていますが思い切って中に入ると、テーブル席が4席、そのうち2席はジモピーぽいおじさんが占領していました。おじさんの冷たい視線を物ともせず、いちばん奥のテーブルに座りにこやかに迎えてくれたおばさんにラーメン(500円)を注文、待つ事しばし、30年近く味が変わっていないと言うラーメンが登場です。
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一言で言って鍋をした後、最後にラーメンを投入というあのラーメンに近い味。ベースは判然としませんが少なくとも牛骨では無さそうです。やや塩気が強めの甘辛醤油味で素朴な味わいです。トッピングはシンプルにモヤシとネギとチャーシューの変わりに豚肉を煮たものが乗ります。麺は白っぽい中太のストレート麺で変わった麺です。ラーメンと言うより乳麺を想像させる麺です。それがかえって鍋のようなスープには合っているのかもしれません。地元のおじさんがビールとチビチビやりながらラーメンを食べていましたが、まさにこの食べ方がこのラーメンの正しい食べ方だと感じさせます。

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by emozione | 2008-11-15 12:15 | 鳥取市

だんだん家@春日 冬季限定こってり辛みそラーメン

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 こちらのブログやこちらのHPでも取り上げられている,だんだん家の新メニュー、「冬季限定こってり辛みそラーメン」(700円)です。背油の浮くコッテリ感のあるスープにラー油が浮き、中心にネギと肉味噌?と糸唐辛子のトッピング、どこと無く坦々麺ぱい出で立ちのルックスです。麺は太目のストレートです。ルックスから辛さ優先の作りと思いきや、まず正面に伝わるのは海老と味噌の風味。ラー油の辛さは無くはないのですが、海老のコクと味噌の風味を引き立てる役割に撤しているようです。2倍で10円、3倍で20円増しの辛いバージョンも可能なようで、より辛味を前面に出したスープが好みの場合は辛さ増ししてみるのも良いでしょう。量はやや少なめの設定になっています。しかし、その分、食後に替えメシ(白:150円、赤※キムチのせ200円)が用意されていて残りスープに入れて雑炊感覚の一杯を楽しむ事が出来るようになっています。確かに、基本スープは他のラーメンと共通だそうですが、たっぷりの背油が加わる事によって別物のようにコッテリ感を増し、これに芳醇な海老と味噌の香りが加わったスープは、雑炊にはピッタリかも知れません。さらに生卵(50円)や、もし残っているなら、ぼろくた卵(10円)などを加えてみるときっと至福な時が訪れる事と思います。

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by emozione | 2008-11-13 12:00 | 松江市内

麺家ひばり@学園 刺激的・豚骨・坦々麺

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 続けて麺家ひばりの情報で申し訳ありません。11月6日にリリースされた期間限定メニュー「刺激的・豚骨・坦々麺」(800円)です。
 早速の感想ですが、スープは豚骨ベースで胡麻の風味は控えめ、その分余計に豚骨の風味を感じる事ができます。ラー油による唐辛子辛さはさほど強くない中程度ですが、四川山椒が効いていて独特な舌が痺れる様な感覚が辛さを引き立てます。トッピングの中国味噌で練った肉味噌は適当な粘度があって、しばらくそのままにしてまずは豚骨の風味を楽しんだ後、崩して肉味噌とのコラボレーションを楽しむ事ができる二度楽しめる嗜好になっています。肉味噌の上に乗っているのは、カシューナッツで直前に炒った物をクラッシュしてトッピングされます。豚骨のコク、適度なラー油の辛味、旨みたっぷりの肉味噌、炒りカシューナッツのコリッとした食感の全てが合わさった時、何とも格調高い辛みを醸し出す一品として完成する麺家ひばりらしい面白い坦々麺です。期間限定で年末ごろまでの提供と言う事ですのでお早めにお召し上がりください。

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by emozione | 2008-11-07 12:40 | 松江市内

麺家ひばり@学園 魚醤・魚豚つけ麺 全粒粉仕様

 全粒粉仕様になったひばりのつけ麺です。実は全粒粉仕様になった直後に一度訪れているのですが、写真が上手く撮れずにブログアップを断念しております。今回あらためて撮影を兼ねての訪問です。しかし、この店内、暖色系の暗めの照明のため雰囲気は抜群なのですが、撮影となると露出がアンダーになってホワイトバランスもオートの域を超えてしまうので写真を撮るのが大変難しいです。写真を撮らない人には何の関係も有りませんが・・・。
 今回あらためて、魚醤・魚豚それぞれ全粒粉仕様でいただきました。以前の平打ち麺仕様でも大変完成度の高い十分満足できる一品ではありましたが、特に魚醤ではスープのインパクトが余りに強いため麺の印象が薄くなる傾向がありました。今回の全粒粉麺はそんな魚醤、魚豚の各つけ麺のスープに負けない麺をと言う事で探した中、辿り着いた麺だそうで京都からの仕入れだそうです。ちなみに全粒粉とは通常小麦の胚乳だけを挽く小麦粉と違い、表皮、胚芽、胚乳をすべて粉にした物で、粉の色は灰茶色で独特な風味があるのが特徴です。以前に一度だけ、やはり京都の高倉二条で全粒粉仕様のラーメンをいただいた事がありますが、この時は細麺だったこともあり蕎麦の様な麺と言う印象でした。今回はつけ麺と言う事もあって平打ちの太麺、その実力の程はいかがでしょうか?
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全粒粉麺
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魚醤つけだれ
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魚豚つけだれ

 全粒粉仕様の麺、魚醤、魚豚それぞれのつけだれです。魚醤つけ麺(並:750円)、魚豚つけ麺(並:800円)となっています。流石に全粒粉麺、噛んだ瞬間のもちっとした何とも言えない食感と芳醇な小麦の味わいはこれまで食べた麺の中でも特に印象に残る麺と言って良いでしょう。すばらしい麺です。この麺であれば個性の強い魚醤、魚豚の各つけだれと確かに十分にバランスが取れると思います。むしろ、ややマイルドな魚豚とは麺の方が強い印象すら与えます。山陰では魚介系スープに少なからず抵抗があるようで残念ですが、このつけ麺のレベルであればむしろ、関東圏や関西圏なら十分に有名店の仲間入りが出来るのではないでしょうか。お見事です。

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by emozione | 2008-11-03 12:00 | 松江市内

徳福@ラーメンオールスターズ米子

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 期間限定で店舗が入れ替わる独特なスタイルで展開中のラーメンオールスターズ米子、現在の出店は徳島中華そばを謳う徳福です。とは言っても、徳島に店舗は存在せず本拠は横浜との事ですが、果たしてどのような徳島ラーメンがいただけるのでしょうか。
 徳島ラーメンと言えば以前に紹介した「たかはし」の様に、濁った醤油系のスープに甘辛く煮付けた豚肉と生卵が乗る独特なスタイルが思い起こされます。今回はメニューの中から、このイメージに近いと思われる玉子入り中華そば(730円)をチョイスしました。
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 玉子入り中華そばです。やや濁ってはいるものの透明感を失わない醤油系スープにメンマ、モヤシ、ネギとお目当ての豚肉、生卵が乗ります。麺は九州や和歌山を思わせるストレートの細麺です。まずはスープから、本場と同様豚と鶏のスープで7:3の比率だそうですが、明らかに豚が優勢な豚骨醤油風のスープで、豚の香りを良く引き出したなかなかの味です。徳島では1店しか行っていないので何ともいえませんが、少なくとも本場で食べた甘辛い素朴な味わいのラーメンと比べると多少イメージが違うように思います。どちらかと言うと広島系の豚骨醤油や家系に近い印象と言えばよいでしょうか、見た目にも濁りと醤油の色が薄く甘辛の甘みの部分が弱いように思います。麺はストレートの細麺ですが比較的しっかりした食感があります。しかし、これも本場ので食べた物に比べると硬い、というか徳島は麺が柔らかい事をアイデンティティとしているような印象だったので、それから考えるとこの麺は徳島ラーメンのアイデンティティから外れていると言わなければならないのかも知れません。そして、煮付けた豚肉ですが、これはこれとして確かにおいしいと思います。しかしこれもやはり、あの素朴な甘辛さとは一線を画する印象がぬぐえません。現場で食べた物はもう少し味付けが強く、そのためすき焼きのように生卵と合わせて丁度いい塩梅に変化したような記憶があります。全体として一杯のラーメンとしては不満を感じる事のない仕上がりと言えると思いますが、これが徳島ラーメンかと言われると少し違和感を感じなくも無いと言うのが正直な印象です。
 ところで、本場の徳島ラーメンとして以前紹介した入田の「たかはし」ですが、情報によると店主にご不幸があって閉店されたようです。店主と言うのが、あの気さくなおばちゃんの事がどうか不明ですが現在は更地になっていて店の跡形も無くなっているようです。大変残念な事です、と同時にご冥福をお祈りいたします。

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by emozione | 2008-11-02 12:20 | 米子市内