竹駒@花巻

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 一生のうち一度は行ってみたいと思っていたラーメン店があります。岩手県花巻市の竹駒、ラーメンを「かまど」で作る事で知られる昭和29年創業の超老舗です。まずはその外観を目にした瞬間から古き良き時代へのタイムスリップが始まります。
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55年の時代を遡るタイムトンネルの入口、その向こう側にある時が流れる事を忘れてしまった空間へと誘います。
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中に一歩足を踏み入れると、扉の外側で心に思い描いていた通りの風景、その主と薪ストーブの暖かい炎がやさしく出迎えてくれます。
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メニューは中華そば(350円)と中華そば大盛り(450円)と飲み物だけ、値段までタイムスリップしています。中華そばをお願いするのは、なんだか申し訳ない気分にさえなります。
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注文を受けると主であるお婆さんはかまどの元へ、静かな店内にパチパチと薪のはじける音が響きます。
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程無くして出来上がった中華そば、長い年月の間に傾いたテーブルの上で丼は傾き中身は片側に寄ってしまっています。その丼の中に佇む琥珀色に澄んだスープを口にしてみると、端正で抑制の効いた醤油味の中に煮干でしょうか、独特の甘みを持った魚介系の風味を感じます。それが一見何の変哲もないに見える中華そばを優しく、しかし力強くしっかりと支えているように感じます。決してでしゃばる事無く物静かに、でもしっかり麺の旨みを引き立てる姿は、まるで飾らない中に優しさと芯の強さを以て家族を支える東北の女性のように思えます。
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最後にお願いをして「かまど」を撮影させていただきました。向かって左側の釜は現在壊れて使えないそうで、右側の釜を使っているそうです。「創業当事から変わらない作り方なんですね」と尋ねると、なんと「かまど」はリニューアル後の姿で、当初は七輪を使用していたのだそうです。いつまでも、このかまどに火が絶えることが無いよう願ってやみません。

地図
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by emozione | 2009-01-23 13:50 | 東北